2013年4月27日土曜日

「瞬足」

YouTubeより

アキレスのスニーカー「瞬足」のCMについてです。

【CM始】

俊足エスキータ、デビュー
ライバルを引き離す
その一瞬に差をつけろ
才能フル装備
最強神話
俊足 ナンバーワンを君に
Achilles

♪COME ON! / Dream5

【CM終】

 短いCMの中に、思春期の子供の頭をアドレナリンでいっぱいにするような言葉が、これでもかというほどに盛り込まれています。
 成長期の子供は男女を問わず誰でもヒーロー、ヒロインになりたいという願望をいつもいだいています(ヒーロー、ヒロインなのでやはり男女は問うことになるのでしょうか…)。
 「才能」「神話」「ナンバーワン」こんな言葉を投げかけられたら、大人でもあきらめた夢を再び追いかけたくなってしまうというものです。
 世界最速の動物であるチーターが走ったり跳んだりするイメージ映像を、男の子が走っている映像に重ねることによって、子供の頭の中には自分がクラスで一番速く駆け抜けている姿がすでに鮮明に描かれています。私もです。
 また、かわいい女の子たちがチームで軽快なステップでダンスを踊っている姿に、AKB48のようなアイドルの華やかな世界が自分の将来に待っているのだと完全に酔ってしまうでしょう。
 さらに、バックに流れている熱く軽快な曲が、それらをより一層濃くイメージづけています。
 道具に頼れば他人に勝てるようなイメージになりがちですが、それがきっかけになり、努力することによって結果を出す喜びを子供達が身をもって学べることにつながるのかもしれませんね。
 それにしても大人は大人で、仕事も勉強も人生も俊足で駆け抜けたいものですね。



汽車ポッポ

YouTubeより

花王「ビオレu」のCMについてです。

【CM始】
ビオレuあわあわ手洗い進行中ー
まもなく~ただいまのあと~
つぎは、いただきますのまえ~
トイレのあと~、おやつのまえ~
おわすれございませんようご注意ください
一日何度も洗うみんなの手に
うるおいまもってしっかり洗える
泡ででてくるハンドソープ

弱酸性ビオレ♪
【CM終】

汽車(きしゃ) 汽車 ポッポ ポッポ
シュッポ シュッポ シュッポッポ
僕等(ぼくら)をのせて
シュッポ シュッポ シュッポッポ
スピード スピード 窓(まど)の外
畑(はたけ)も とぶ とぶ 家もとぶ
走れ 走れ 走れ
鉄橋(てっきょう)だ 鉄橋だ たのしいな

 日本人なら知らない人は居ないのでは、というくらい慣れ親しまれた童謡「汽車ポッポ」です。汽車に乗って駅によるたびに手洗いをするという設定で、それに合わせて「汽車ポッポ」のイントロが流されているのですが、単に「汽車ポッポ」が選ばれている理由はそれだけではありません。
 このみんなが慣れ親しんだメロディ。ここがポイントです。メロディを記憶しているということは、発信されているCMの情報の一部もしくは半分以上をすでに記憶していることになるのです。つまりすでに記憶の下地が出来ていますから、抵抗感なくCMの不可情報が記憶に上塗りされてゆきます。
 このように誰でも知っている童謡、流行歌のメロディを使うCM手法は昔からよく見られます。
 それほど幼い頃に記憶したものや、自分の好みで頭に入った記憶はしっかりと頭に根付いているのです。記憶というものは石鹸の泡で汚れを落とすように、簡単に消えないものですから。




2013年4月24日水曜日

10(トウ)ちゃん

YouTubeより

日経電子版のCM、10(トウ)ちゃんについてです。

【CM始】

父:たけし。
息子:10(トウ)ちゃん。
父:日経電子版のいいところ、10個言えるか?
息子:スマホでもタブレットでも読めて、、あと最新のニュースもメールで届くし、、記事も保存できるし、、あと、、
息子が数えている間にすばやくお着替えをする10(とお)ちゃん
父:ウィンドウズ8にも対応!
息子:とうちゃん(なぜか少しうれしそうな息子)

【CM終】

 このCMのツボはどこかといいますと、「ウィンドウズ8にも対応!」、、ではありません。
 私は「日経電子版のいいところ、10個言えるか?」にこそ本当のツボがあると見ています。
 「日経電子版のいいところ、10個言えるか?」の言葉とともに息子が途中まで「いいところ」を挙げているシーン。
 このシーンによって、「いいところ」が、あたかも10個あるかのようなイメージが送信され、視聴者は心のどこかで気付かないうちに「なるほど、いいところが10個あるのか」と思ってしまっているはずです。
 このように仕掛けを私個人の視点から分析して、記事を書いていますが、日経電子版の「いいところ」を否定しているわけではありませんので、どうぞ誤解なきようお願い致します。
 また、10(トウ)ちゃんというキャラを作ることによって、一般名詞の父ちゃんに埋もれてしまわないようにしています。
 キャラ化は、すなわち個別化、差別化です。このキャラ化した10(トウ)ちゃんに息子が比較的好感情を持っているように見せることによって、視聴者がこのキャラに、さらには日経に高感度を持つという擬似設定を暗に発信しています。息子=視聴者、10(トウ)ちゃん=日経、というわけですね。
 若者の新聞離れを解消し、親元を離れた学生や新社会人を新規顧客に取り込みたいという狙いも当然あるでしょう。



2013年4月21日日曜日

スシロースシロー

YouTubeより

 今回はスシローのCMについてです。
 余計な文字やナレーションを極力省いているため、いつものようなログは、今回はありません。
 最初から最後までお寿司のアップ映像が流れ、完全に映像で勝負しているCMです。
 次から次へと流れるおいしそうなお寿司のアップ映像。
 その途中に消費者の心理に深くかつ無意識に記憶される、小さな仕掛けがあったことにみなさんはお気づきでしょうか。
 お寿司が横にスライドしているところでスピードに緩急がついています。人の脳は一定のスピードに慣れてしまうと、スピードの変化に対して理性が追いつきません。理性が追いつかないということは、それが理性のシェルターを突破し、感情の領域に入り込んでいることを意味します。
 そして最後に「スシロー、スシロー」の声。これは2回という回数がポイントです。1回だけではインパクトに欠け、3回以上だとしつこい感じを与えてしまいます。また「スシロー」の言葉はこれ以上文字数が増えると語呂がわるくなります。最後の音が伸びていることも抵抗感を緩和する効果があるといえるでしょう。
 CMを流す時間帯を就寝前の時間にしぼっていることも見逃せない点です。
 CMの仕掛け以上に購買を促している存在は、まぎれもなく私たちの食欲だからです。
 この記事を書いている私の食欲も、いつも私自身より外食産業の味方をするので困ったものです…。



2013年4月18日木曜日

違いますいえ違いません

日本経済新聞のCMについてです。

【CM始】
先輩(男性):学生の頃から日経読んどくとさぁ。
後輩:はい、先輩(メモを取る)。
先輩(男性):会社に入ってからのスタートダッシュが違うわけよ。
先輩(女性)ふぅん。違うんだ。
先輩(男性)わ!先輩!いや違います!
ウェイトレス:え?
先輩(男性)いえ、違いません!
先輩(女性)日本経済新聞。
先輩(男性)(声)お試し一週間無料。
【CM終】

 先輩役に陽月華(ひづき はな)さん、後輩役に俳優・鈴之助さんが起用されています。
 リクルート戦線の真っ只中にいる学生、特にやる気に満ち満ちている方にとっては、この「会社に入ってからのスタートダッシュ」という言葉はとても魅力的に聞こえるに違いありません。
 本来、社会というものはこのように少しでも能力のある若者が上に起用されることによって、人材の本当の力を社会に活かすことができるのですが、ビジョンが持てず貴重な人材を使いつぶしている企業がほとんどであることは残念なことです。
 このCMのように社会情勢というおかたい感じがするものを、コミカルな演出によって、抵抗感を薄れさせることも面白い演出かもしれません。

言えない言えない

YouTubeより

『言えない言えない』のビルディングループのCMについてです。主に2パターンあるようですが、その片方を紹介します。

【CM始】
社長 :オフィス移転を機にわが社は好調だが、わが社好調の秘密だが?
役員1:オフィスの移転以来
役員2:社長ご機嫌だね
役員3:オフィス移転をビルディンググループに任せたからだなんて、
社長 :ライバルには絶対、言えない言えない。
全員 :言えない言えない。
役員3:物件探しもオフィス探しもやってくれだなんて、
社長 :言えない言えない。
全員 :言えない言えない。
役員4:オフィス間の引越しもワンストップでやってくれたなんて、
社長 :ぶるるる、言えない言えない。
全員 :言えない言えない!!
ナレーション:実力のワンストップサービス、飛躍するオフィス移転なら、ビルディンググループ
社長:言えない言えない(と言いながら検索)
【CM終】  
 CMを見てわかるとおり「言えない言えない」というキーワードが何度もでてきます。これは助動詞あるいは形容詞を名詞化して、一般的な言葉を個別なものとして浮き立たせる効果あります。
 また言えない言えないという、知っている者だけが得をするというムードを演出し、視聴者にもっと知りたいと思わせる効果も十分期待できるといえます。
 最後に社長が、言えない言えないを検索するシーンがあり、一度顧客となれば、リピーターになるくらい満足度があるサービスであることをさりげなく宣伝しています。



ゴールド先輩

YouTubeより

三菱UFJのCMについてです。

上司:いやぁ、二人ともよくがんばった。
先輩:みんなのおかげです。いや、最後の夜はぼくが。

次の豊かさへご一緒に。MUFGカードゴールド。

上司:(後輩へ)ゴールド先輩?
後輩:です。  

 会社のチームで大きな仕事をやりおえて、優雅な夕食を楽しんでいる光景を演出していることが1点目として挙げられます。
 これだけだと普通の種も仕掛けも無いコマーシャルですが、この本当に少ないセリフの中にひとつ隠し味が入っています。  
 「ゴールド先輩」です。このひとことを後輩に投げかけることによって、先輩社員が日頃からチームの間で「ゴールド先輩」と呼ばれていることを示しています。  
 つまり、ゴールド先輩とみんなから呼ばれるほど、カードゴールドを日常的に使っていることを暗示し、視聴者に対し、カードゴールドはあなたの知らないところでは、こんなに身近なものになっているんですよ、と訴えたいわけです。
 特にキャッシュカードを使うことに抵抗感のある消費者を新規に呼び入れたいという狙いがあるのかもしれません。



2013年4月2日火曜日

ミキプルーン

YouTubeより

 第1回はミキプルーンのCMについてです。長らく中井貴一さんをCMに起用しているミキプルーン。中井さんは今回もミキプルーンの顔のようです。

中井:おはよう
妻と思しき女性:おはよう
中井:二度寝しちゃった
妻:食べてく時間ある?
中井:だいじょうぶ
妻:はいいつもの
中井:シャカシャカね
妻:リズム感ないわ
中井:これでいいんだよ。おいしいものはどうやって作ってもおいしいの。
    うぅん、やっぱり違うんだよな。
妻:なにが?
中井:一日が。
妻:じかん、だいじょうぶ?
中井:おぉ。

 このCM全体を通して、パンに塗ったり、水に溶かして飲み物にしたりと、色々な食べ方を視聴者に提案し、こんな食べ方もあるんだったら試してみようかなという気持ちを誘っていると思われます。
 飲み物にするときのシェイクの仕方も他人が気になるほどリズム感がないわけではないのですが、その次の「おいしいものはどうやって作ってもおいしいの」を視聴者にアピールするためにあえて「リズム感ないわ」のセリフが組まれています。
 そして、おそらく子供もいるであろう家庭に、あえて子供の登場を省くことで出勤前の忙しさの中に、優雅な朝食のひとときを余裕を演出しています。
 私個人の感覚としては、演出が細やかになった分、過去のミキプルーンのCMより多少おしゃれな感じがでていると思うのですが、いかがでしょうか。