2015年7月31日金曜日

トリバゴニホンゴ

YouTubeより

 この美女の名前はナタリー・エモンズのど自慢ザ!ワールドに出演したアーティストです。
 外国人が話す日本語は以前にも『チョウドイイ⊿□という名詞』で説明しましたが、このパターンとは異なり今回は文章として成立する立派なスピーチになっています。
 外国人の話す日本語には優しい人もそうでない人も注目させる力があります。
 まず優しい人は外国人が自分の国の言葉を話してくれていると相手がこちらに何を伝えたいのかちゃんと聞こうという気になります。
 これに対してあまり優しくない人はというと、相手の日本語が間違っていないかどうか粗捜しのために注意を傾けます。
 また日本人が話す日本語と微妙に異なるイントネーションが、見る人が聞き流さず、ある種流麗な音楽を聴いているような効果をもたらしているといえます。
 アーティストであるナタリーさんの美声が視聴者に心地よさを与えているのかもしれません。



2015年7月24日金曜日

社長 孫悟空

YouTubeより

 わかさ生活 ブルーベリーアイのCMについてです。

 わかさ生活の角谷社長を声優の野沢雅子さんが演じています。キャリアが豊富でドラゴンボールシリーズにて孫悟空、悟飯、悟天も演じている方です。
 このCMの意図はもちろんドラゴンボール視聴者に主人公の孫悟空をイメージさせることです。実際ドラゴンボールのCM放送枠も押えています。
 通常、コマーシャルや商品にキャラクターを起用する場合、キャラクター使用料を権利者に払う必要があります。ですが、このCMを目にする多くの人がドラゴンボールをイメージするにも関わらず、最初から最後までドラゴンボールのキャラは一度も出てきません。あくまで視聴者が野沢雅子さんの声からドラゴンボールの孫悟空をイメージしているだけなのです。
 おそらくこのCMでドラゴンボールの権利者への支払い義務はないので、視聴者のイメージを通して、いわば間接的に有名キャラクターをタダで使用することに成功しているのです。
「私はドラゴンボールが嫌いで仕方がない」という人にはお目にかかったことがありません。孫悟空は視聴者の心の扉を開き、開いた所からブルーベリーアイが入っていきます。
 ドラゴンボールのアニメ開始当時からのファンは今や大人となり、デスクワークで目を酷使したり、ゲームばかりしているわが子の目を心配する世代になっています。
 ブルーベリーの甘酸っぱい味は、子供の頃の甘酸っぱい思い出と、どこか重なる部分があるのかもしれません。




2015年7月10日金曜日

ある日オフィスでドラえもんに出会った

YouTubeより


 ドラえもん ふわチョコモナカ CMについです。

 CMタレントは木竜麻生さん、CMソングのメロディは童謡の『森のくまさん』です。もうお馴染みの【聴いたことがある曲】系のCMですね。
 ドラえもんのび太くんに似せて、大きなメガネや黄色い服装をチョイスしている点も見逃せません。視聴覚両方に知名度の高いものを選ぶことによって、商品を視聴者の記憶に浸透させることができます。著名人二人に連れられ新人が紹介されている感じでしょうか。また、木竜麻生さんの声色にふわふわ感があり、商品イメージにマッチしているように感じます。
 このCMにはドラえもん、のび太くん、森のくまさんと3点も著名なイメージを起用しているため、それぞれが打ち消しあってしまう危険があります。
 しかし、ドラえもん関連の曲をチョイスせず、メロディを華道でいうところの「 真.副.控 しん そえ ひかえ 」の控に据えたことで調和を保つことに成功しています。

 このように実際に出来たものを分析してあれこれいうのは簡単なことですが、いざ制作に関わるとなると私などは曲にもドラえもんを起用してしまうかもしれません…。



2015年5月24日日曜日

朝食をーガスト!


 見事なまでの【商品名連呼】系のCMです。CMタレントは新木優子さんです。
 余計なものを全て削ぎ落とし、商品名連呼に注力しているので、多くの説明を要しません。
 そこをあえて特長を挙げるならば、リズム感が良いために繰り返し聞かされてもイラッとしないことでしょうか。
 CMは視聴者の購買意欲をかきたてるためのものですから、無関心な人の心へ刺さりこんでいかなくてはなりません。ですからインパクトを与える事よりも、不快感を与えない事のほうがずっと難しいのです。



2015年5月17日日曜日

館内放送「シーセンシーセン」


 実は今回取り上げるのはCMの中身ではありません。冒頭の「シーセンシーセン」という短いフレーズ、これがポイントなのです。
 多くの方がお気づきのとおり、これはピンポンパンポン♪というデパート館内放送の短いメロディです。
 見る人に「なんだろう?」と注意を喚起します。しかも災害警報のようにマイナスのイメージを持っていない注意喚起です。「はい、ちょっと注目」程度の軽い感じがしますね。
 また、このブログで何度も出てきた【聴いたことがある曲】の効果もあるでしょう。詳説はここでは省くことにします。
 冒頭に定番の短いフレーズを入れるCMは、本編を何度も放送するのと違って飽きがきません。ですから、本編を別のCMに作り変えても、いつまでも冒頭は使い回しができ、年季が入れば入るほど視聴者に親しみを持ってもらえるものに成長していくのです。


2015年5月14日木曜日

ゲッツ!でピンポ!


 ダンディ坂野さんの持ちネタ?の「ゲッツ!」と、このCMの「ピンポ!」、共通するのはそのリズムです。どちらもリズムは ”タンタ♪”になります。
 CMは15 or 30秒の短い時間でイメージを全て伝え切らなくてはいけません。つまり瞬間に全てを出し切るという意味において、ダンディさんのシンプルな芸風が功を奏したといえます。
 ネタ番組では若干パンチの弱いゲッツですが、時と場所が変われば、意外と瞬発力のあるネタであるという見方もできるのです。
 結構、褒めすぎた気もしますが、褒めることこそコマーシャルの原点ではないでしょうか。


2015年5月11日月曜日

職人気質が褒めるお茶


 ナレーションの通り「板前さん100人に聞きました」という設定です。
 いかにも口数の少なそうな職人気質の板前さんが、思わず「うまい…」と呟いてしまうほどおいしいということを宣伝しています。
 さらに視聴者の頭の中では、滅多に褒めない人の口から「うまい…」という言葉が漏れたというイメージが生み出されます。滅多に褒めない人というイメージを生み出すための、板前さんの起用なのです。
 あえてセリフを削ぎ落とすことによって演出している静けさも、緑茶のイメージに合っているいえるでしょう。


2015年5月10日日曜日

チョウドイイ⊿□という名詞


 ネイティブが発音する「チョウドイイ」。
 少し微妙なイントネーションがこの「チョウドイイ」を名詞化しています。
 この文字で書いたチョウドイイの浮かび上がった感覚を音で感じるといったところでしょうか。
 また、芸者さんを登場させたことで日本であることを見るものに意識させ、日本のインフラにフィットしていることをアピールしています。
 見ていてイヤミがなく全体としてスッキリとした印象を受けます。



2015年4月10日金曜日

ぶんぶんぶんもぎもぎフルーツ

YouTubeより

もぎもぎフルーツCM 「もぎもぎシスターズ」篇についてです。

 フルーティなぶどうのイメージを全面に、若さ溢れる女の子3人が爽やかで、ぎこちない笑顔を満面に浮かべてダンスを披露してくれています。
 童謡の『ぶんぶんぶん』のメロディにもぎもぎフルーツのCM歌詞を乗せています。もう何度もここで紹介した【聴いたことがある曲】系のCMですね。
 多くの人が聴いたことがあるメロディを使うメリットは、CM情報の半分であるメロディがあらかじめ視聴者の記憶にあるために、もう半分である歌詞情報がリンクして記憶されやすいことです。
 そして「もぎもぎもぎ…」という歌詞の語呂の悪さのために一気にたたみかけるような流れになり、逆にインパクトを与えています。
 色彩の強さも、歌詞のインパクトのアクが強くならないようにする効果があると思われます。
 どれか一つ欠けると押しが強くなりすぎるので、これはバランスの良いCMといえるでしょう。